変化するにちにち

川んそばはひやが(寒い)

デイサービスに行く日。母は、
「いっこ来んね(長く来ない)」
と外に出る。橋の横に立っている人あり。
「Sさんじゃらい(Sさんだ)」
と言うやデイの荷物まで持って話しかけに行く。
「おまいもきゅは行っ日じゃっとな(あなたも今日は行く日ですか)」
「はい、あたや……(わたしは…)」
と柔らかなもの言い。Sさんとは行くところが違う。
Sさんを迎えに来た人が
「この辺なさんかなぁ、川んそばじゃっで(この辺は寒いですね、川のそばだから)」。
聞くと他の所より少し寒いのだと。

Sさんを見送って家で待つ。
「トキさん行っど、きゅはおいじゃっど(今日は私ですよ)」
の声。
「サミさんのございだね(来られた)、こら良がった」
と弾んでいる。わたしも何回も会っている、ぽんぽん受けてくれる捌けた人、さすがプロだと感じさせる。この方はサミさんではないが、似ているらしく母はサミさんだと思い込んでいる。彼女も心得たもので、サミさんになってくれている。
「トキさん、ゆっこさんが戻ってきてくれらいたで良かったなぁ(帰ってきて下さって良かったですね)」
「はい、じゃいどん親子喧嘩ばっかいしとっとな(喧嘩ばかりしているんですよ)」
「よかお(いいですよ)、こんだ車ん中でおいと喧嘩しながら行っが(私と喧嘩しながら行きましょう)」

この人も
「ここはひやかとこいじゃっで(寒いところだから)はよ車い乗っが(早く車に乗りましょう)」 と、聞くとやはりこの辺は寒いと言われた。

二人に同じことを言われて、寒さを妙に納得。そうしたら何だか楽になった。

そういえば、出かける前に体調などを連絡帳に書いていたら、
「おやわしかごだ(私の悪いことは)、けでくるんなねぇ(書かないでね)」
と言っていた。