変化するにちにち

わが誕生日

誕生日と言うより生日(せいじつ)、この言葉が好きだ。
毎年複雑な思いで迎えるわが生日、忙しい時に生まれてこんな日に生まれて、のような雰囲気の中に、物心ついた頃からあった。ただ南の鹿児島には珍しく大雪の降る日に生まれた私に雪子と名付けてくれた祖父が、朗々とした声とともに今も大きく在る。父が届けを出すときに、雪は溶けて流れるからと幸子の漢字にしてしまったらしい、良くも悪くも。

親には「ゆっこ」と呼ばれ、故郷を出たら「ハナ」と呼ばれ、ゆきこと呼ばれるのは書類の類を出す時くらい、それでさえフリガナを付けても「さちこ」と間違えられたり…。しかし「ゆきこ」と呼ばれても違和感がありいまだに「私は誰?」と不安定になりそうだったりする。

走る如く飛ぶ如く
祖父が名付けた経緯を、母に幾度となく聞いてきているからか、今日のような雪の気配を感じる誕生日の夜は、祖父が黒マントを着て、わが名を携えて雪の中を走る如く飛ぶ如く峠を越えて来るのが想像と言うよりも、見えるような気がして心落ち着く。誕生日に関連した歌を探してみた。

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